七人の侍
七人の侍
黒澤明
発売日:2002-10-25
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:807
時は戦国時代。夜盗化した野武士の横暴に苦しむ農民たちは、侍を雇って村をまもろうとする。かくして集められた7人の男たちの活躍をダイナミックに描いた、巨匠・黒澤明監督の堂々3時間30分に及ぶ、古今東西の映画史上永遠に残る名作中の名作。
合戦シーンのすさまじさとリアルさは言うに及ばず(三船敏郎が「1本の刀では5人も斬れん」とストックの刀を用意するところはゾクゾクした)。7人の個性的面々のキャラクターの見事な描き分けもすばらしい。個人的には、リーダー格の志村喬のおおらかな威厳と、無口な剣の達人・宮口精二のニヒリズム、ユーモラスな加東大介が好みだ。農村の自衛を描いていることから、公開時は自衛隊礼讚映画といった批判の声もあがったが、無論今ではそんな無粋(ぶすい)なことを言う者はいない。(的田也寸志)
★★★★★ 2006-10-16 白い御飯が美味そうだ
観てる間中ぞくぞく鳥肌がたちっばなしで胸が熱くなる映画は久しい。勿論、映画の良し悪しはそれだけでは無いが。男に生まれて良かったと、日本人で良かったと、この映画を誇りに思う
否、老若男女を問わず国も時間さえも越えて人を熱くさせるのは周知の通り。『侍』と黒沢監督に憧憬をかさねる。観るのが遅く悔いたので躊躇してる方はすぐに観て欲しい
★★★★★ 2006-10-08 百姓は強く逞しい
一見、侍の映画だが、実は農民の強さを描いた快作。
貧しくても、強かに、侍を雇う百姓達。
落ち武者狩りで、武器を蓄える百姓達。
貧しいようでも、何でも出てくる食料。
まさに、日本経済の強さそのもの。
日本経済の高度成長を予見したストーリー。
侍達の清貧な倫理観の高さと、戦闘力の強さは、魅力タップリ。
民主主義日本の有るべき姿を強く示唆するのか?
役者それぞれの、キビキビした個性は、魅力タップリ。
何十回観ても、新鮮な感動に満たされる映画史上の至宝。
タップリ楽しみましょう。
★★★★★ 2006-09-24 久蔵について
いわずと知れた黒澤の大傑作。内容は僕がいわずとも・・・。そこで僕がいいたいのはただひとつ、宮口精二演じる久蔵!僕は七人の中で彼が一番好きだ。寡黙で、常に冷静で、無言実行。身のこなしが軽やかで、抜群に腕がたつ。男の子なら絶対に憧れるこのキャラクターを宮口精二が存分に体現している。たまに違う作品で宮口精二を観ると「あ、久蔵だ」と言っている自分がいる。
はじめ宮口さんはこの役を「侍なんてやったことないから、僕にはできない」と断ったらしい。それを黒澤が「撮り方でどうにでもなるから」と説き伏せて出演にいたったという。キャスティングにおいても黒澤は天才だったといえるだろう。宮口さんはのちにこの役を生涯で最高の役と言ったそうだ・・・。宮口精二の物静かな熱演を、どうぞご覧あれ。
★★★★★ 2006-09-13 古い邦画で白黒だからといって
敬遠すると損します。お勧めです。値段も手頃だし。
尺が長いんで鑑賞の際は「今日は見るぞ」って気合い必要かもしれませんが。
面白いのはまちがいないです。
★★★★★ 2006-08-28 あの時代だったから出来た名作!
以前、一回り上の人から、「おたくの親父さん達の世代まで、少し戦前の教育の色が残っているが、これが、うちの親父達の世代になると、もうまさしく七人の侍に出てくる百姓そのもの!」と言われたことがあります。
思えばこれは、うちの祖父には何となく思い当たる気がしまたね・・・。
以前、何度かこの作品は見たことがあったのですが、そういう目で改めてこの作品を見ると、又違った感慨があります。
百姓(庶民)とは、臆病でずるがしこく、全体のことなど見ようともせず、自分のことしか考えないし、オカミを恐れ、それでいて信用しない。
搾取されるから、何もない・・・と言っても自分の分だけはしっかり確保している。
以前、この作品を見たときは、思わず、黒澤明という人は、この時代に生きていたのではないか?と思いました。
しかし、あの作品からは、同時に昭和29年という(収録時は27〜28年ですかね。まだ生まれてませんが。)、祖父の時代の空気を感じました。
出ている俳優やエキストラも、あれはまさしく戦後の、1960年代までの顔だと思います。
今、あの作品を誰かに撮れと言っても、わらの中に潜り込んで寝たことのある役者なんていないでしょうし、黒澤作品はやはり、今となってはもう、誰も作り得ないあの時代だけの物なんでしょうね・・・。
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