椿三十郎


織田裕二が主演の公開中映画「椿三十郎」のオリジナルはこれです。 椿三十郎
黒澤明

発売日:2002-12-21
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:8913


『用心棒』大ヒットの翌年に製作された続編的要素をもつ作品。お家乗っ取りに暗躍する悪家老一味と、血気盛んな若侍たちの確執に、(今回は椿と姓を名乗る)三十郎(三船敏郎)が巻き込まれていく。
原作は山本周五郎で、黒澤明監督も今回は肩の力を抜いて、ホノボノとした明朗感を大切にしながら演出。しかしその中で、正義の城代家老の妻(入江たか子)に「あなた(=三十郎)は抜き身の刀のよう。でも本当にいい刀は鞘に収まっている」とサラリと言わしめ、力をコントロールすることの大切さをさりげなく説いているあたりもうまい。クライマックス、敵方の室戸半兵衛(仲代達矢)との一瞬の居合対決は、今でも語り草となる凄絶なシーン。当時、三船の殺陣は、もはやフィルムのコマに刀が映っていないほどすばやいものだったと言われている。(的田也寸志)

★★★★★ 2006-10-24 いまだからこそ必見
黒澤明という名前を聞くだけで古いからと見る気がしないと
いう人がいたらぜひこれを見てください。
私も黒澤映画をたくさん見るようになったのは最近ですがこの映画のおかげです。
特に構える事なくとても楽しめる娯楽作です。

来年公開予定の織田裕二主演のリメイク版が先日クランクインしたそうです。
正直、織田裕二では荷が重いと思うので期待より不安の方が大きいですが
これをきっかけにこの作品を見る人が増えればと思います。

★★★☆☆ 2006-10-15 う〜ん
どうしても用心棒の印象が強いので、この作品が薄く感じてしまう。
こっちを先に見て用心棒を見たらすっきりするのかな?どうしても用心棒のおまけ的な映画としか思えない作品。

★★★★★ 2006-10-04 娯楽を見直した、絶句。これこそ娯楽。
もっと早く観ていたら人生が変わったかもしれないと思うぐらいすごかった。
文句のつけようのない娯楽性がそこにあり、近年映画と称されているもののすべての作品がその焼き直しに過ぎないことを知ったような衝撃だった。
二十台になってようやく、今初めて本格的に黒澤明を鑑賞したわたしは、昨今大量に生産されている刺激物のような、神経が鈍磨した娯楽作品たちによって、黒澤作品が模されることによってその中に埋め尽くされ、覆い隠されているような有様を創造してしまった。
以前に映画を二十回も観る古い世代がいるということを聞いたことがあった。それまでは、そこまで映画に執着するのは大変な努力だな、と考えていたわたしはようやく分かった。
ここに本家本元が存在していたのだ。
黒澤作品と出会った瞬間にその理由を実感した。まるで目からうろこが落ちる思いであった。まさにこの作品は二十回観るに値するのだ。いや、二十回観ても飽きないのだ。それがただすごい。今まで生きていてこれほど『観れる』映画を観たことがない。
さらには、初めて『シナリオを読んでみたい』と思わされた作品だ。
見事なまでの二重構造の嵐!三十郎は敵なのか味方なのか?観客も一瞬だじろぐほどの三十郎の、そしてミフネの演技、黒澤監督の巧妙の演出!
そして圧巻の『転』。まるでエモーショナルなイメージボードの神がかり的な交錯プレーを垣間見たような感動がある。
さらにはとどまることを知らない、転が終わってもなお、一生脳内の残滓に残ってしまいそうな決着劇まで用意されているとは予想できなかった。
まさに娯楽。神がかり的!
映画で本当に心が満たされた。黒澤監督アリガトウ!

★★★★★ 2006-08-16 最後のシーン!!!
story
藩の御家騒動に巻き込まれた三十郎が、腹黒い家老たちの不正を暴こうとする若侍たちを手助けして大活躍します。
point
ご存知、黒澤明監督時代の時代劇。「七人の侍」は本当にすごいのであえてこっちを選んでみました* 実は「姿三四郎」と混同していたんですが、こっちのほうがおもしろいと思います。この映画は最後のシーンのためにあるといっても過言ではないと思います、0.1秒の最後の決闘!何回も観たけど、やっぱり速すぎてみえません。三船敏郎すごすぎ*
追記:織田裕二がリメイクに挑戦するそうです。どんな感じになるのかなぁ*

★★★★★ 2006-08-05 三十郎よ何処へ行く 
場所は桑畑から、椿屋敷へと移る。今回の三十郎は対比の妙。超マニュアル人間の若侍集団VS究極アンチマニュアル三十郎。抜身の三十郎VS泰然自若平常心の奥方。一見切れ者実はなまくら菊井VS「馬さえ丸顔」睦田、そして椿の赤と白。今般はやりの劇画タッチすら感じてしまう分かり易さに「はっははは」と笑ってみている、と、最期の決闘シーンで度肝を抜かれる。仲代半兵衛曰く「身体が宙に浮くのを必死に抑えた」ほどの血しぶきだったとか。やはり黒澤映画が「ははは」で済むわけもないね。頭を地べたに擦り付け、感謝と畏敬の念で見送る若侍たちに「鞘に入ってろ」と去る三十郎。その背中には、入るべき鞘などあるはずもなく、抜身で生きる人生を選んだ男の覚悟と孤独がにじむ。クールで深い幕切れだ。


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野良犬


野良犬
黒澤明

発売日:2003-01-21
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:25022


★★★★★ 2006-08-22 実直っていいもんだ。
黒澤作品の中では、どちらかというと、マイナーな方に属する作品だろうが、私の中では現代劇では、「生きる」と並んで、大変印象に残っている作品である。
この作品をそれほどに際だたせているもの・・・、それはひとえに、主演の三船敏郎演ずる刑事の一途なまでの実直さであろう。
特に、時代は、実直というものの存在自体、許せないほどに荒廃した世相であり、それだけに、その時代の中で、敢えて、融通が利かないほどに実直であり続ける若き三船の姿は強く印象に残った。

見終えて、こう呟いたのを覚えている。
「実直っていいもんだよな。」と。

★★★★★ 2006-07-05 志村・三船見事な共演 
 戦後の日本を舞台に、コルト拳銃を盗まれた新米刑事(三船)とベテラン(志村)の暑い夏の日々を描く黒澤初期の傑作。志村、三船がほぼ同じスクリーンタイムを分け合っていて、二人のファンには嬉しい限り。己のコルトを求めてさまよう三船の姿の背景に流れる当時の日本。猥雑なまでのエネルギーと、戦後の虚無感が同時に感じられる凄い映像。そして二人の流す汗、汗。もはや凶器にさえなりそうな逃げ場のない暑さにいよいよ追い詰められていく三船。三船が最期に犯人の遊佐(木村功)を追い掛けるシーンは圧巻だ。丸腰で必死に追う三船。逃げる木村。二人は自然界と振興住宅地の出会う雑木林で格闘する。手錠をかけられ、号泣する木村。その絶望に呼応するように肩で息をする三船。このシーンはその後内外の監督たちにさぞやインスピレーションを与えたことだろうと察する。
 若き日の三船がいい。そしてなにより志村がいい。愛と、突き放した人生観が見事に融合したベテラン刑事を説得力をもって演じきった。



★★★★★ 2006-06-19 雑木林に流れるソナチネ−−焼け跡に有った戦後への希望
 私が、初めてこの映画を観たのは、18歳の時(1975年)の事である。東京のフィルム・センターで、この映画を観る為に、何時間も並んだ事が懐かしい。ビデオもDVDも無かった時代、昔の映画を観る事がどれだけ大変であったか、今の若い人には分からないかも知れない。しかし、だからこそ、何時間も並んだ後、フィルム・センターでこの映画(『野良犬』)を観た時の感動の大きさは、忘れられない物である。
 この映画には、黒澤監督が、「戦後」と言ふ時代に対して抱いた希望が強く感じられる。戦争直後の荒廃した風景や世相を描きながら、この映画は、非常に明るく、笑いにも溢れて居る。当時の暗い世相の中に、これほど希望を感じさせる映画を作った処に、黒澤監督の強烈な個性を感じる。
 黒澤明監督が、女を描くのが下手だったとは、良く言はれる事である。その指摘をあえて否定はしないが、この作品はどうだろうか?私は、『野良犬』に関する限り、その指摘は外れて居ると、思ふ。
 「女を描くのが下手」と言はれた黒澤監督が、もっと描くのが不得手だったと私が思ふのは、貧しい人々である。−−黒澤監督は、社会の底辺に生きる人間を描く事は、不得手であったと、私は、思ふ。−−しかし、この作品では、それを感じない。この作品において、黒澤監督は、苦手な「女」を描く事にも、底辺の人々を描く事にも、成功して居る。
 そして、クライマックスの決闘の場面で、雑木林に、突然、ソナチネが聞こえるあの場面は、何と素晴らしい物か。あの場面の衝撃は、忘れられない。

(西岡昌紀・内科医)

★★★★★ 2006-05-19 渋い!
この作品はストーリー的にも面白いし、志村さんが演じている佐藤刑事も渋くていいです。「酔いどれ天使」の真田には少し劣るけど、それでも十分魅力的です。
私的には黒澤作品で志村さんが演じた役の中では佐藤刑事は二番目にいい役だと思いました。

★★★★★ 2006-03-22 三船敏郎のかっこよさ
この映画の面白いところっていうか、三船敏郎の面白いところは、刑事のかっこうしているときより、復員兵の汚いかっこうしてる場面の方が似合っているし、かっこよく見えるところであろう。ストーリー自体もとても面白いし、展開もスピーディ。でも一番印象に残っているのは、三船のきったない復員兵姿のかっこよさ。不思議な役者だ。

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続 姿三四郎


続 姿三四郎
黒澤明

発売日:2002-10-25
おすすめ度 ★★★★☆
売り上げランキング:14081


???黒澤明の名声を全国にとどろかせたデビュー作『姿三四郎』の続編。長い旅から修道館に帰って来た姿三四郎(藤田進)だったが、右京が原の闘いで彼に敗れた檜垣源之助(月形龍之介)の弟ふたりが、復讐のため三四郎の命を狙うようになる。しかし三四郎は、師匠の矢野正五郎(大河内傳次郎)から他流試合を禁じられており…。
???出演者も前作とほぼ同じで、月形が檜垣とその弟の2役を演じるといった趣向もある。ただし、今回は太平洋戦争終結間際という時節を反映してか、明治のロマンティシズムよりも闘争本能がメインになってしまっている。また、悪さを働くアメリカ人水兵たちを三四郎がこらしめるといった、いかにも戦意昂揚映画といったシーンも用意されており、黒澤監督にとってはあまり多くを語りたくない作品となってしまったが、単純に娯楽映画としてとらえたときのおもしろさは、やはり折り紙付である。(的田也寸志)

★★★☆☆ 2004-12-19 時代を感じてしまいますね
 色々な意味で、時代を感じる作品ですね。当時の世相を反映しているというだけでなく、単純に格闘系娯楽映画として観た場合にも、その格闘シーンがやはり現代とは違うなぁという感じです。空手家が、柔道家と向かい合って「ヤァー!」「トー!」などと掛け声を上げながら攻撃して行くというのは、K1などを観なれている現代の我々からするとやはりどこかずれている感じがしてしまいます。

 しかし、それでも、一本の娯楽映画としては十分に楽しめる作品ですし、観ても決して損はないと思います。ですが、個人的には、やはりこの『姿三四郎』のシリーズは他の黒澤作品と比べると少し落ちるかなぁという気がします。

 やっぱり『七人の侍や』『用心棒』『蜘蛛の巣城』『隠し砦の三悪人』などの有名どころの作品は桁違いに面白いですから、それらの作品と比べる方に無理があるのかもしれませんが、黒澤作品として観た場合の満足度はやはり他の作品よりは低いですね。

★★★☆☆ 2004-12-06 時代を感じてしまいますね
 色々な意味で、時代を感じる作品ですね。当時の世相を反映しているというだけでなく、単純に格闘系娯楽映画として観た場合にも、その格闘シーンがやはり現代とは違うなぁという感じです。空手家が、柔道家と向かい合って「ヤァー!」「トー!」などと掛け声を上げながら攻撃して行くというのは、K1などを観なれている現代の我々からするとやはりどこかずれている感じがしてしまいます。

 しかし、それでも、一本の娯楽映画としては十分に楽しめる作品ですし、観ても決して損はないと思います。ですが、個人的には、やはりこの『姿三四郎』のシリーズは他の黒澤作品と比べると少し落ちるかなぁという気がします。

 やっぱり『七人の侍や』『用心棒』『蜘蛛の巣城』『隠し砦の三悪人』などの有名どころの作品は桁違いに面白いですから、それらの作品と比べる方に無理があるのかもしれませんが、黒澤作品として観た場合の満足度はやはり他の作品よりは低いですね。

★★★★☆ 2003-03-04 特典映像の価値
 あらゆる解説で語られているように,戦争昂揚映画的な面があり,黒澤明自身あまり多くを語りたがらないようですが,一本の娯楽作品として十分耐えうるものになっているところは,監督第3作目とはいえ,やはり黒澤明の偉大さだと思います。

 三四郎に憧れて入門した元車夫が,はじめは緊張していながらも,道場に慣れて次第にふてぶてしくも思える姿になっていきます。そんな元車夫の変化を,道場で礼をするシーンを繰り返し重ねることで表現しているところは,まさに映画にしかできない表現だと思います。特典映像にある,このアイデアを海外の映画から得たと語る監督の姿に,監督の映画に対する愛情を感じます。
 また,特典映像で能についても触れられており,目からウロコが落ちる思いがしまし!?!!?。わずか20分程度の特典映像ですが,十分価値のあるものになっています。

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姿三四郎


姿三四郎
黒澤明

発売日:2002-10-25
おすすめ度 ★★★★☆
売り上げランキング:14038


???黒澤明監督の記念すべきデビュー作。時は明治のなかば、旧来の柔術と新興の柔道がせめぎあう中、姿三四郎(藤田進)は修道館・矢野正五郎(大河内傳次郎)の門下となり、柔道の道を突き進んで行く…。
???富田常雄の同名大衆小説を原作に、ひとりの青年が柔道をとおして己を磨きながら成長していくさまが、それまでの日本映画にはなかったカラリとした味わいとして、さわやかに、そしてダイナミックにつづられていく。ヒロイン小夜(轟夕起子)との情感あふれる神社の境内での恋模様、そして嵐のなか、宿敵・檜垣源之助(月形龍之介)との宿命の対決などなど、現在の目でとらえても見事なまでに新鮮に映える娯楽映画としての見せ場の数々のとりこになること必至である。(的田也寸志)

★★★☆☆ 2004-11-27 字幕があって助かります。
 黒澤作品の録音の悪さは有名ですが、その黒澤作品と大河内傅次郎がタッグを組むとまさに聞き取りづらさでは最強になってしまいます。この『姿三四郎』だけでなく、『我が青春に悔いなし』や『虎の尾を踏む男達』などもそうなのですが、これらの作品はビデオ版で見たときは日本語なのにヒアリングが困難でした。今回DVD版を見てみて、「多少は改善されているなぁ」とは思ったのですが、やはりまだ字幕がないとしんどいですね(特に大河内傅次郎の台詞が・・・)。

 作品の内容としては、黒澤作品が好きな人向けかな、という気がします。その当時の時代ということもあるのでしょうが、やはりアクションシーンが今見るといまいちですよね。特に投げ技をかけた後、相手が五メートルぐらい先のところで苦しんでいるところなどを見ると、シリアスなシーンなのにちょっと笑ってしまいますからね。

 この映画最大の見所というと、やはり最後シーン。後の黒澤作品を髣髴させるのに十分な迫力と映像美です。

★★★★★ 2004-06-28 姿三四郎最長版は必見だ
「姿三四郎最長版」。これはロシアで発見された12分のカットをはめこんでDVDにした版。フィルムの傷が多いのだが、これによって敵役の桧垣のキャラクター像が明確になる。
作品自体は、アクションシーンなどはさすがに時代の流れに勝てず、今見ると若干、迫力にかけると感じる観客もいるかもしれない。しかし、それ以外の演出脚本編集の素晴らしいこと。映画のすみずみに才能が光り輝いている。

最長版は音声の聞き取りにくい所があるのだが、DVDだと字幕がでるのでとても便利だ。しかもロシア版以外の画面はとても鮮明になっている。
クリアーな映像、音声によって、劇場で鑑賞した際は、率直に言って何をやっているのかよくわからなかったシーンでも、はっきりと理解し楽しむことができる。ぼくはこのDVDによって初めて「姿三四郎」の真価を確認した。

黒澤ファンなら必見ではなかろうか。

★★★★☆ 2002-10-27 明治という時代
そこに描かれているのは、かつてこの国にあった明治という自由闊達な時代の空気。
役者の所作・顔の素晴らしさ。演出のなんて洒落ていることか。
細かいところにこころが行き届いていて、しかもそれが観る側に説得力を持ってきちんと伝わってくる巧さ。
みればみるほど魅了されていく映像世界です。

今回発掘されたシーンは、三四郎のライバルとヒロインとのシーンが中心に復活していて、男女の三角関係により果たし合いに到るそれぞれの葛藤が、より印象深く感じられるようになったと思います。ただこの挿入シーンはフイルムの痛みも激しく、雨降り状態ですが、
観られるだけでほんとうによかったと感激していまいます。

DVDの宿命として、常に高画質を求められる傾向がありますが、そんなこ!とを吹き飛ばすような黒澤監督の映像の力強さ、
あらためて驚きを隠すことができません。
それと日本語字幕の恩恵も。特に発掘シーンは字幕で観ないとわからないくらい音声信号が痛んでいました。

それにしても、こんなにいとしくユーモアがあってカッコイイ映画、最近じゃー、ちっとも観られない!?

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生きものの記録


生きものの記録
黒澤明

発売日:2002-11-21
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:27783


???鋳物工場の経営者・中島(三船敏郎)は、あるときから原水爆に異様な関心を示すようになり、全財産を処分して家族全員でブラジルへの移住を企てるが、反対する家族の者たちは裁判所に彼を準禁治産者とする申請を申し立てる。やがて申請は承認され、そのショックと疲労などで中島は狂乱の行動に出てしまう…。
???彼が狂っているのか、水爆をもつ現代社会が狂っているのかを厳しく問いかける、黒澤明の社会派メッセージ映画。三船は頭を白く染めて、初の老人役を熱演。また、本作は初期黒澤映画になくてはならない名作曲家・早坂文雄の遺作ともなったが、そもそもこの企画は、ビキニ環礁での水爆実験のニュースを聞いた早坂が、黒澤に「こう生命をおびやかされては仕事ができないねえ」と何げなく語った言葉がきっかけとなって生み出されたものであった。(的田也寸志)

★★★★★ 2006-10-15 家族
家族と動物に関しては、嘘偽りなく接する事が出来る数少ない存在と考えて、この作品はひしひしとそれを感じます。その感情を受け止めながら見るラストシーンは、感じた事の無いせつなさでした。

★★★★★ 2006-06-08 深く印象に残りました
黒澤監督の作品が好きで今までに何本か観ましたが、
今回は以前から興味があったのでレンタルしました。
水爆に対する恐怖から一家全員で異国に避難しようと言ってきかない
主人公とその家族、また社会の対比がすばらしく、考えさせられます。
水爆に対する純粋な恐怖を持っている主人公と、その恐怖を深いところでは共有しながらも日常では割り切って生きている他の人と、
どちらが狂気なのか?
どちらも人間の姿なんだろうと思います。
どちらか一方が正しくて他方が間違っているという単純な構図ではなく、複雑なその関係を前提に据えたうえでの問題提起。そのことを
黒澤監督は投げかけている気がします。
監督の作品は他にも考えさせられるものが多く、
真剣に何かを考えたいときに見ます。


★★★★★ 2006-04-26 チェルノブイリ後の人類への問い−−我々は、何故、死の灰から逃げられないのか?
 私が、初めてこの映画を観たのは、1970年代の東京の映画館においてであった。その時から、私は、この映画の虜(とりこ)であった。だが、私が、この映画が描く物の意味を本当に理解したのは、1986年のチェルノブイリ原発事故の後の事であった。−−私は、この映画を観る皆さんに、この映画における「水爆実験」をチェルノブイリ原発事故に置き換えて、この映画の会話を聞いてみる事を勧める。
 「核」の問題は、黒澤明監督が、終生こだわり続けた主題の一つである。余り知られて居ない事だが、黒澤監督は、原子力発電に強く反対する人であった。又、黒澤監督が、晩年、原爆投下への抗議として作った『八月の狂詩曲』が、公開当時、試写会で、原爆投下を正当化しようとする外国人特派員の攻撃を集めた事は、黒澤監督の正義感を証明しこそすれ、何ら不名誉な事ではなかったと、私は、思って居る。
 この映画の特異な物語を通じて、私達は、正常なのは、実は、この、老人であり、この老人の死の灰への恐怖を共有出来無い私達こそが、生きものとして、異常である事に気が付かせられるのである。
 チェルノブイリ原発事故から数年経った或る時、私は、この映画を思ひ出し、その事に気が付いた。−−私たちが、死の灰から逃れられない本当の理由は、私達が、私達の日常生活を捨てて、逃げる事が出来無いと言ふ、ただそれだけの理由であると言ふ事。−−これこそが、この映画が描いて居る、私達全員の悲劇なのである。

(西岡昌紀・内科医/チェルノブイリ原発事故から20年目の日に)

★★★★★ 2006-02-14 衝撃の問題作。
OPから徒ならぬ音楽、物語の異常さを予感させます。この作品は、当時の米ソはじめとする世界の核開発競争に警鐘を鳴らしているのですが、メッセージがストレート過ぎて敬遠する方も多いようです。逆に言えば、「よく作ったな」と思います。兎に角、「日本で暮らす一人の老人が、徒ひたすら核に怯える」という脚本のセンスがとても素晴らしいです。理由・原因が分からないとの批判がありますが、「“核の脅威”に理由など必要がない」ということでしょう。何かと批判の多い三船さんの役ですが、個人的には特に問題ないと思います。“ガタイがいい”のも、人の話に耳を貸さない、頑固なワンマン社長の雰囲気が良く出ていると思います。

大学卒業後に初めて観たのですが、法学部だった私は、民法で「準禁治産者」を学びましたので「そういえば習ったなあ。」なんて当時思い出しました。私が学生の頃はまだ「準禁治産者」だったのですが、卒業後、民法改正で「被保佐人」に変わりました。それにしてもラスト。一度観たら、一生忘れないでしょう。

★★★★★ 2004-09-19 深い作品
準禁治産者の宣告を受けるような人物の気持ちを説明してしまっては、元も子もないと思われます。マクベスの一節、「目の前にある恐怖など、想像力が生み出す恐ろしさにはかなわない」を思い起こすだけで充分でしょう。
志村喬の感情に入り込めなければ、この作品の面白さはわかりません。

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酔いどれ天使


酔いどれ天使
黒澤明

発売日:2003-01-21
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:3016


???戦後の焼け跡の悪臭漂うゴミ捨て場。その向こう岸で医師を営む飲んべえの真田(志村喬)は、ある日ヤクザの松永(三船敏郎)の怪我の治療をしたことから、彼が結核であることを察知し、その無謀な生きざまを痛烈に批判していく…。
???黒澤明監督の名声と人気を決定付けたヒューマン・ドラマ。テーマはヤクザ批判、戦争批判なのだが、時の新人俳優・三船のギラギラした個性が際立つあまり、松永が主人公の医者以上に魅力的な人物と化してしまったことは、黒澤監督にとって大きな誤算だったのかもしれない。しかし、本作から黒澤&三船の黄金コンビによる傑作群が続々と誕生することとなる。また、本作で黒澤映画の音楽を初めて担当した作曲家・早坂文雄は、その後も名コンビとして黒澤映画音楽の秀作を次々と世に生み出すこととなった。(的田也寸志)

★★★★★ 2006-10-18 熱いぜ
心と心がぶつかり合う熱い!映画ですね。医者とやくざがお互いがお互いを毛嫌いしてるのを始めに、医者の優しくも厳しい言葉が心を開かせていくが、プライドが邪魔をし二人の空回りは続いていく。とても不器用な二人の関係がどう展開していくか、是非見てみてください。

★★★★★ 2006-05-08 最高です
「酔いどれ天使」
この作品は私にとってはとても思い入れの深い作品です。最初は暇つぶしにと思って観ていたのですが、時間が経つにつれて自然に画面に集中している自分がいました。そして観おわってみると何ともいえない感動が起こりました。何故これほどまでに私が感動したかというと志村喬さんが演じていた真田がとても格好よかったからだと思います。やくざ相手に一歩も引かない喋り方。口は悪いけど根はすごく優しい所。松永のために新鮮な卵を買う所にその優しさが表れてますよね。とにかくこの作品は最高だと思っています。黒澤作品の中では勿論の事、私が今まで観た映画の中でも恐らくこの作品を越える作品はないと思います。それぐらい好きな作品です。昔の映画は本当にいい作品が多いなとこの映画を観て改めて思いました。

★★★★★ 2006-02-22 やくざ
 映画とは時代を映す鏡、といわれる。この作品などはその好例だろう。どこを切っても人間、人間、人間の生活臭で溢れた画面は、その当時をリアルタイムで知る世代には郷愁を、今の小奇麗な映画を見なれた若者たちには驚きと、もしかして嫌悪感すら与えるかもしれない。
 志村喬演じる医者は、あの赤ひげ先生に似て、ずけずけと物をいい、あいつなんか知らん、といいながら誰よりもそいつを気にしているという、よくあるタイプの人物設定だし、三船演じるやくざも、わかっちゃいるけどやはり運命に抗い難く、その与えられた最期へずるずると流れていく男で、これもよく見るタイプ。
 だが黒澤の手にかかるとこれがやはりずしんと見ごたえのある一本に変身するのはなぜだろう。そのなぜを知りたくて我々は黒澤映画をみるのだろう。黒澤さんはやくざが嫌いだったらしいが、この三船はあまりに美しい。こんなやくざとなら一緒に落ちてみたい、と思う女性もいるかもしれない。映画とは意外なものだ。

★★★★★ 2005-12-21 わが母が若い頃・・・生き抜いてきた時代背景がリアルに見える。
この作品を観ていると、わが母が若い頃・・・生き抜いてきた時代背景が手に取るようにわかる。「結核」という病気は、怖い病気であり、「卵」というものが、当時いかに贅沢品だったのかがわかる。結核に感染したヤクザ役との三船敏郎さんと、赤ひげ医師役の志村 喬さんの演技が輝いている。

★★★★★ 2002-11-21 若き黒澤の熱き魅力
 「世界のクロサワ」になる以前、まず此処日本において突出した評価を受けるに至った初期作品。

 上手い作品か?とか、良い作品か?と聞かれても頷きがたいものがある。なぜそこまで力んだ演技・演出になるのか、乱暴なまでのヒューマニズムの押し付けはどうして。では嫌いな作品か?と聞かれれば、迷わず好きだと言ってしまうだろう。うますぎる、良すぎる映画群の中で結局気になってしまうのだ。良いも悪いも、気に障ることさえ若き黒澤の煮えたぎる熱さとして魅力溢れるシーンがドサッと込められている。

 特にラスト近く、余命いくばくもないヤクザが、自ら望んで(?)返り討ちにあうべくして決闘する最後、開き戸の窓から視える光景は震えるほど美しい!
 あのシーンを観るだけでさえ何度でも観直したい映画だ。
 
 不謹慎な物言いだが、最期にあの光景を視られた男は幸福だ。いや、

それとも見続けることが出来ないのは悲劇なのか・・・・。
 

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羅生門 デラックス版


羅生門 デラックス版
黒澤明

発売日:2002-09-06
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:12393


???時は平安時代、土砂降りの羅生門の下で、杣売り(志村喬)と旅法師、そして下人が、3日前に起きた不思議な話を語り始めて行く。検非違使(森雅之)が殺され、盗賊の多襄丸(三船敏郎)が逮捕されるが、彼と検非違使の妻・真砂(京マチ子)、さらにはイタコを使って冥界から呼び寄せた検非違使の霊と、それぞれ証言が異なっているのだ…。
???日本映画で初めてヴェネツィア国際映画祭金獅子賞およびアカデミー賞外国語映画賞を受賞し、一躍世界に黒澤明監督の名前をとどろかせた大傑作。人間のエゴ剥き出しの業の醜さと、そんな絶望の中からの再生といったテーマが、初めて太陽に直接キャメラを向けた画期的撮影や、ボレロ形式を主体とした斬新な音楽など見事なスタッフワークによって、躍動感みなぎる映像の美学として結実。キャストの名演も忘れてはならないところだ。原作は芥川龍之介の『薮の中』でその後も『暴行』『アイアン・メイズ』『薮の中』と繰り返しリメイクされ続けている。(的田也寸志)

★★★★☆ 2006-10-15 人とは?
とても変わった映画です。人間それぞれの特有として、自分の意見と言うものが一人一人違う、それが人間だと極端に表現した物語。最初見終わったあとあまり意味が分からず考えたのですが、実は日常でよく目にする光景だったりしますよね。仕事で自分がミスをしたとして、お互いに意思の疎通が出来てなかった為、本気で「相手が悪いのに、畜生」と思ってしまう。その人間同士の意思のすれ違いと言うテーマをはめ込んだ作品。う〜ん難しい


★★★★★ 2006-05-03 チャーチルは、この映画に何を見たか?−−この映画を生んだ日本と言ふ国の凄さ
 以前、或る本で読んだ事であるが、イギリスの宰相チャーチルは、晩年、この映画(『羅生門』)を見たそうである。そして、その後、第二次大戦とその後の東欧の共産化を含む、20世紀の修羅場を目撃して来たこの政治家(チャーチル)は、こう言ったと言ふ。−−「この映画は、国際政治を皮肉った物ではないのか?」
 チャーチルにこの様な言葉を言はせたこの映画(『羅生門』)と、その原作である芥川龍之介の『藪の中』の力は、矢張り、凄いと、私は、思ふ。(或いは、日本と言ふ国の凄さだろう。)
 若い頃、初めてこの映画を見た時、私は、この映画のラストシーンに物足りなさを感じた。だが、私なりに人生の辛酸をなめ、世界に起こり続ける悲惨を見続けて来た今、私は、この映画のラストシーンを、本当に素晴らしいと思ふ。

(西岡昌紀・内科医/東京裁判が開廷した日に)

★★★★☆ 2006-01-07 モノクロなのに鮮やか、これぞ世界の「クロサワ」
日本映画初のヴェネチア映画祭金獅子賞、アカデミー特別賞に輝いたこの作品によって黒澤明監督は世界の「クロサワ」と呼ばれるようになりました。芥川龍之介の「薮の中」と「羅生門」を足して脚本化。タイトルは「羅生門」ですが内容はほとんど「薮の中」。三船敏郎の子供じみているが野性的な迫力。京マチ子のきちがいじみた妖艶な笑い声。志村喬のさりげない存在感。名優たちの熱演は現代をも圧倒するパワーを感じます。また、名カメラマン宮川一夫のカメラワークはいつ見てもドキッとします。たまに映し出される太陽や、豪雨の中にどんと立つ羅生門の姿は、モノクロなのに鮮やかで強い印象を与えてくれます。

★★★★☆ 2005-12-30 彼らは何故嘘をついたのか
盗賊と盗賊に殺された武士、その妻、それぞれが三者三様の嘘をつく、その心理描写が非常に興味深い。

自分を大きく見せるために、(他の二人と比べれば)ささやかな嘘を言う盗賊。男どもの関心を失い、過ぎ去られるぐらいなら、夫に蔑まれ、殺人の嫌疑を掛けられる方が良いと考える妻。そして、殺された武士は(巫女を通じ)、盗賊にくれてやっても惜しくない女のために殺された悔しさと自分の恥ずべき行為を隠さんがために最も事実とかけ離れた証言をする。旅法師の「死人が嘘を言うはずはない」との台詞は真に皮肉に聞こえる。

ただ、証言が食い違うことに対し、「人間なんて信じられない」と嘆く旅法師や杣売りは少しナイーブなのではないか。彼らが嘘をつく動機は非常に人間臭いし、現代の社会通念に照らして許し難いとも思われないからだ。それが(戦後60年から振り返ると)やや甘いラストの伏線になっているという気がしないでもない。

★★★★☆ 2005-09-26 以外な真実
原作の芥川の「薮の中」には真実は書かれていない。三人の言い分だけだ。
映画では「真実」が描かれているが、これこそが真実かと思わせるものだ。
ただ最後の場面の木樵や坊主のやりとりは、少し甘い結末に思えてしまう
のがちょっともの足りない。

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用心棒


用心棒
黒澤明

発売日:2002-12-21
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:5330


???ふたつの勢力が対立している宿場町にふらりと現れた謎の浪人。桑畑三十郎(三船敏郎)と名乗る彼は、両方の親分に自分を用心棒として売り込みつつ、双方を巧みに争わせて壊滅に追い込んでいく。
???黒澤明監督が「今度はチャンバラだぞ!」と元気に叫びながら製作にあたった、娯楽時代劇映画であり、まるで江戸時代の宿場町を舞台にした西部劇のような、日本映画離れしたユーモアとアクションのセンスに満ちあふれた、映画史上に残る大傑作である。三船敏郎、一世一代の当たり役。そのおもしろさは海の向こうでも評判となり、後にイタリアで『荒野の用心棒』、アメリカで『ラストマン・スタンディング』と翻案リメイクもなされたほど。オーケストラからヴァイオリンを抜いて構成された佐藤勝の音楽も、映画音楽史上に残る優れものである。(的田也寸志)

★★★★★ 2006-10-15 スカッ!
黒澤映画は全て観ましたが、スカッ!と一番するのはこの用心棒、正義が悪を討つ、そのシンプルなストーリーにひねりなんて必要ない爽快感。用心棒の三船敏郎が個人的に一番好きです。かっこいい!

★★★★★ 2006-09-13 ちょっと血腥い
けど傑作娯楽作品。白黒で古いからって敬遠するのはもったいない。

スターウォーズがどうのこうのってんで有名な「隠し砦の三悪人」よりこちらの方が
数倍出来いいです。お勧め。

★★★★★ 2006-07-19 娯楽映画の最高傑作
今更ながら言うことのない面白さ。ここの映画の見所は殺陣ではなく、三十郎がヤクザたちを翻弄する面白さだ。映像のほうも七人の侍のころと比べかなりクリアで見やすく、字幕もついているため聞き取りにくいところもこれで確認するところができる。

★★★★★ 2006-07-15 男は背中でものを言う  
 悪の二大勢力が牛耳る無法地帯の宿場町に単身ふらりとやってきた三船「サンピン」三十郎。それに絡むは仲代「ガンファイター」卯之助、東野「飯屋の親父」権爺に山田「性悪」おりん姐さん、そして加東「頭は悪いが腕っ節は強い」亥之吉など芸達者総出演。撮影がおなじみ宮川一夫。時にボレロ、そしてロックに拍子木となんともクールな音楽が佐藤優。極めつけの振付は金須さんで、剣技が久世さん。世界が唸る痛快活劇にはこれだけの黒澤職人集団が関わっているんですね。
 三船と仲代の最期の対決シーン、「近寄るんじゃねえー」の仲代の声に、にやりと片頬で笑い、ちょいと肩をゆすってやにわに戦闘モードに突入する三船。その後の10数秒の立ち回りシーンはまさに日本的様式美の世界。「あばよ」の一言であっというまに去る三船。ああ、男は背中でものを言う。しかし、確かこの男は30両はポンと司・土屋夫婦にくれてやり、アサメシ抜きの腹ぺこでいくさに臨んだはず。何たる自己犠牲か。
 この映画の本当のかっこよさは、浪々の身となっても侍の矜持を貫き、強きをくじき弱きを助ける三十郎の精神にある。そしてそれを声高には言わず、活劇の衣をまぶして世界に見せた黒澤の技にある。
 そしてなによりも精神がどうのとか小賢しく理屈をこねること自体、かっこ悪いと思わせるほどの圧倒的な面白さ、絶品です。





★★★★★ 2006-07-01 この映画の無類の面白さにはもう唸るしかナイッス!
 めし屋を根城にして、宿場町を牛耳る二大勢力を牽制、縦横無尽の活躍をする流れ者兼用心棒を演じる三船敏郎。徒党に迎合するを良しとせず、一匹狼的な彼の機略、駆け引きに胸がすっとさせられる一本。初めてこの映画を見た時は、「な、なんて面白い映画なんだ!」と画面にかぶりつきの状態で見入ってしまい、今回もまた、最初から最後まで堪能させられました。
 桑畑三十郎を演じた主役の三船敏郎は言うまでもなく、拳銃片手に好敵手・卯之助を演じた仲代達矢、頑固で男気のあるめし屋の親爺を演じた東野英治郎、毒婦のような女郎屋の女将を演じた山田五十鈴、頭はからっきし弱いが向こう意気は人一倍強い亥之吉を演じた加東大介など、多士済々の脇役陣の味のあるキャラと演技が見事。加えて、佐藤勝の音楽もこの作品にぴたりと合った優れものだと感じました。
 1961年(昭和36年)製作の作品。極上のエンターテインメントがたっぷり楽しめる、本当に痛快無類の映画ではないでしょうか。世界の巨匠、黒澤明監督の映画のなかでも一番好きな作品。見るたびに、練り上げられた脚本の面白さと個性的な役者たちの演技に魅せられてしまいますね。

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静かなる決闘 ― デラックス版


静かなる決闘 ― デラックス版
菊田一夫

発売日:2002-09-06
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:4403


???若い医師の藤崎(三船敏郎)は、戦時中に中国戦線の軍医として従軍していた際、負傷兵・中田の手術中に誤って梅毒に感染してしまった。6年後、父の経営する病院で働く彼は、梅毒の兆候が現れ出したことから、恋人・美佐緒(三条美紀)との婚約解消をほのめかし始める。そんなある日、病院に中田が妻を伴って現れた…。
???製作当時は不治の病だった梅毒をモチーフとしたヒューマン・ドラマ。医者としての自分の使命をまっとうしつつ、静かに病魔と、そして己の人生と闘おうとする主人公を三船が好演している。彼をめぐるふたりの女、藤崎に命を救われた元ダンサーの見習看護婦(千石規子)と美佐緒とを対比させた描き方もいい。本作のみ、音楽を『ゴジラ』などの巨匠・伊福部昭が担当している。(的田也寸志)

★★★★☆ 2006-03-22 面白いんだけど・・・
黒澤作品の中では評価の低い作品だとは思う。しかし、面白いのである。こんなに面白いのに評価が低い理由はたぶんたった一つである。主人公が恋人と結婚できない理由を隠し通す理由がわからん。普通、話すだろ。そこに無理があるから見終わった後、すっきりしないんだよね〜。例えば、これが梅毒でなくエイズだったら言えない理由もわかるんだけどね。もしかしたら当時の梅毒って今のエイズ並みだったのか。でも、エイズの場合、発病したら治療法は全くない。でも梅毒は当時も治癒の可能性があるわけだしなぁ。実は主人公が同性愛者でエイズだったとかいうなら言えない理由もわかるんだけど。

★★★★★ 2006-02-13 人生の幸福とは。
若き医師である藤崎恭二(三船敏郎)は、野戦病院での手術中、メスで傷つけた指のまま梅毒患者に縫合作業をしてしまい、自分もまた梅毒に感染する。内地(日本)には許嫁・松本美佐緒(三條美紀)が居た。終戦後、彼は梅毒が完治するまでは結婚しないと決心をし、しかもその理由を許嫁はおろか父・孝之輔(志村喬)にも話せないのだった…。
不治の病に感染した若き医師の苦悩を描くヒューマンドラマ。

さて、物語の主人公の許婚に対する態度について、一つの問題提起をしていると考えることができると思う。
(黒澤監督の意図は解らないが、仮に「黙して語らず、孤独な闘い」と云う美意識を単に描いていたとしても、現代的視点から捉えなおす必要があると思う。勿論、当時における「梅毒」の重みを考慮に入れなければならないだが。)

その後、許婚は幸福な人生を歩んだのだろうか。否、不幸だったと思う。若輩者の私が言うのもおこがましいが、人生の幸福は、やはり「自分の存在が、人の役に立っている」と実感できることだと思う。ましてや“愛する人”に対してであれば、尚の事だと思う。もちろん彼にとっては、“愛すればこそ”の選択(戦時中から6年間待たせていた)だったのだが、現代的視点からすると(少なくとも私の考えでは)、やはり独りよがりの感は否めない。彼女は、仮令「通常の夫婦生活」が送れなくても、彼の傍に居る選択をしたはずで、それでも「幸福な人生」を送った思えるから。
彼に仄かな想いを寄せる見習い看護婦(千石規子)の方が、ずっと「幸福な人生」を送れそうな予感をさせるエンディングに何とも皮肉な人生の巡り合わせを感じた。

★★★★★ 2005-01-03 三船かっこ良すぎ!
〜黒沢明の映画の中ではあまり語られる作品ではないようですが、
内容はとても面白いです!
なにより若い三船の誠実な医者姿にときめいてしまいました。
お父さん役が志村喬で、そのお父さんとのソファーでのやり取り(タバコの火をつけるシーン)など、微笑ましいぐらいです。
それからなんといっても忘れられないのが千石さん(三船に恋する看護婦の役)〜〜。
千石さんは酔いどれ天使でも居酒屋の女の人で出てきますが、千石さんの成長ぶりや気持ちの変化など可愛くってしょうがありません。
三船が押さえ続けていた心情を激白するシーンはよく考えてみるとかなり恥ずかしいことをいってますが(笑)それを含めて買い!です。
のちの菊千代、三十郎三船とまた違った魅力に出会いたい方は是非。〜

★★★★☆ 2003-04-16 やはり面白かった
最近 黒澤監督の映画に凝ってます。
いろいろ見ましたが、 どれも面白く「ハズレ」というものがありませんね。
本作もそのひとつ。
見る前は なんとなく地味で退屈そうな感じがしたのですが、 実際に
見てみると 素直に 面白いと思いました。
現在ならば さしずめ エイズを題材に この作品の リメイクが作られても
よさそうなものですが、 どうして 作られないんでしょうか。
それから 三船敏郎という役者さんは 本当に カッコいいですね。
今の時代、 彼に匹敵するタレントや 俳優さんはいないと思いました。
それから、 脇役で ダンサー崩れの看護婦さん役の女優さん。
素晴らしいですね。
あんな凄い演技のできる女優さんがいたのかと正直驚きました。
いずれにせよ、 一度は鑑賞する価値のある作品だと思います。

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一番美しく


一番美しく
黒澤明

発売日:2002-12-21
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:79906


???1944(昭和19)年、太平洋戦争も末期に近づいてきたころ、女子挺身隊として軍需工場に配属されたうら若き女性たちの青春、その日常をセミ・ドキュメンタリー・タッチでとらえた黒澤明監督の第2作。
???そもそも戦意昂揚映画の一環として企画されたものだが、表面的にはお国のために滅私奉公する乙女たちの姿を描きつつも、その実は個々が団結してチームとなり、みんながひとつの目標に向かって突き進んでいくことの美しさや尊さこそを、黒澤監督は実に愛らしく描いているのだ。監督自身「自作で一番可愛らしい作品」と語っているが、それもそのはず、本作のヒロインであり、乙女たちのリーダーとして気丈に、そして健気にふるまう渡辺つる役の矢口陽子は、後の黒澤夫人であり、夫を終生支え続けた賢妻として皆から親しまれた人物でもあった。(的田也寸志)

★★★★★ 2003-12-15 さすが黒澤
何年か前この映画をBSで見ました。男の目から看た戦争映画はたくさんありますが、この時代の女性の強さたくましさを看る事ができました。その反面生きてゆくことの脆さ切なさも感じます。軍事工場で働く女性達を黒澤の目をとうすと当時の国民の言いたい事が判る気がします。

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