暴走機関車
暴走機関車
アンドレイ・コンチャロフスキー
発売日:2004-01-21
おすすめ度 ★★★★☆
売り上げランキング:40453
???アラスカの刑務所からマニー(ジョン・ヴォイト)とバック(エリック・ロバーツ)、ふたりの凶悪犯が脱獄し、貨物列車に乗り込んだ。しかし発車してまもなく、機関士が心臓発作で急死したために列車は暴走を始めていく。一方、ふたりを追う狂気の刑務所所長(ジョン・P・ライアン)はヘリで列車に乗り移ってきた……。
???黒澤明監督がアメリカで映画化する予定で記した脚本を土台にしつつ、大幅にアレンジを施し、ロシアのアンドレイ・コンチャロフスキー監督がメガホンを握ったサスペンス・アクション超大作。脱獄ものの要素に列車暴走のアクションといった娯楽要素が、あたかもロシア映画のごとき硬質の映像でつづられているのが新味で、その意味ではロシアに愛着を持つ黒澤の意図とも呼応するものがあるかもしれない。余計な人間関係などに執着せず、危機また危機の状況に焦点を絞ったことも逆に潔いものがある。凶悪犯役のふたりの熱演も見どころのひとつ。(的田也寸志)
★★★★★ 2005-01-23 生きる事、死ぬ事
ジョン・ボイト扮する囚人マニが持つ自由への渇望と刑務所長ランキンへの怒り、憎しみ。人はその人生の中でどちらかしか選べない選択を迫られた時に、どのような選択をし、何を行うのか。
この映画のハイライトは非常に考えさせられるシーンであった。
また、雪の雪原を暴走する機関車の、そして気候の無慈悲さ。この映画の絶望感を嫌が上でも助長していた。
もう20年も前の映画だが全く古臭さを感じさせ無かったのは、作品のアイデアが素晴らしかったからではないだろうか。
★★☆☆☆ 2004-12-13 精神面に焦点をあてた作品
熱演しているし、迫力はあるがアクションやパニックというよりは、人間としての尊厳や精神的なものに重心をあてている。
あまりにも「男くさい」感じ。
考え方や行動ひとつとっても、女性からするとドロくさい。
暴力的シーンも意外とあるし、一般的な女性にはおススメしない。
★★★★★ 2004-07-13 時間を忘れます
とにかく驚きの映画です。最初から最後まで気が抜けないので、時間の感覚が崩壊します。ラストが美しくそして壮絶です。
★★★★★ 2004-01-26 脱獄囚の運命はいかに
〜暴走する機関車に 乗ってしまった脱獄囚と追いつめる刑務所所長の執念が 激しくぶつかり合う 傑作。臨場感抜群のドキュメンタリータッチの演出と 脱獄囚の復讐心が 痛いほど伝わってきます。四重連機関車の 巨大感と疾走感には 圧倒されました。機関車の存在に 負けないジョン・ボイトの大熱演が 光っています。生きること死ぬこと また人間とは何〜〜かアクション映画でありながら 自然に考えさせられました。エンディングは この先脳裏から 離れることはないでしょう。まさに 記憶に残る作品です。〜
★★★★☆ 2004-01-03 犯罪者にも人の魂…黒澤の原案です
原案は世界の黒澤明。長年暖めていたが製作費の折り合いがつかず実現しなかった。ハリウッドで映画化する際、黒澤はアンドレイ・(ミハルコフ・)コンチャロフスキーならいいとOKを出したそうだ。ソ連時代の「貴族の巣」や「ワーニャ伯父さん」を見て「人間が描ける監督」だと見抜いていたからだろう。ハリウッド入りしてからはシルベスター・スタローン主演の「デッドフォール」など、特徴のないアクション映画も撮っているが、この映画は極寒の中で暴走する列車というアクションを主軸にしながらも、脱獄囚たちの人間的葛藤を絡めた見事なドラマに仕上げている(アカデミー賞にノミネートされたジョン・ボイトはもちろん、レベッカ・デュモーネイも熱演)。ちなみに「黒い瞳」などで今やロシアの巨匠監督となったニキータ・ミハルコフはコンチャロフスキーの実弟。日本では久しくソフトがリリースされていなかった1本なので、嬉しい発売だ。
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