用心棒
用心棒
黒澤明
発売日:2002-12-21
おすすめ度 ★★★★★
売り上げランキング:5330
???ふたつの勢力が対立している宿場町にふらりと現れた謎の浪人。桑畑三十郎(三船敏郎)と名乗る彼は、両方の親分に自分を用心棒として売り込みつつ、双方を巧みに争わせて壊滅に追い込んでいく。
???黒澤明監督が「今度はチャンバラだぞ!」と元気に叫びながら製作にあたった、娯楽時代劇映画であり、まるで江戸時代の宿場町を舞台にした西部劇のような、日本映画離れしたユーモアとアクションのセンスに満ちあふれた、映画史上に残る大傑作である。三船敏郎、一世一代の当たり役。そのおもしろさは海の向こうでも評判となり、後にイタリアで『荒野の用心棒』、アメリカで『ラストマン・スタンディング』と翻案リメイクもなされたほど。オーケストラからヴァイオリンを抜いて構成された佐藤勝の音楽も、映画音楽史上に残る優れものである。(的田也寸志)
★★★★★ 2006-10-15 スカッ!
黒澤映画は全て観ましたが、スカッ!と一番するのはこの用心棒、正義が悪を討つ、そのシンプルなストーリーにひねりなんて必要ない爽快感。用心棒の三船敏郎が個人的に一番好きです。かっこいい!
★★★★★ 2006-09-13 ちょっと血腥い
けど傑作娯楽作品。白黒で古いからって敬遠するのはもったいない。
スターウォーズがどうのこうのってんで有名な「隠し砦の三悪人」よりこちらの方が
数倍出来いいです。お勧め。
★★★★★ 2006-07-19 娯楽映画の最高傑作
今更ながら言うことのない面白さ。ここの映画の見所は殺陣ではなく、三十郎がヤクザたちを翻弄する面白さだ。映像のほうも七人の侍のころと比べかなりクリアで見やすく、字幕もついているため聞き取りにくいところもこれで確認するところができる。
★★★★★ 2006-07-15 男は背中でものを言う
悪の二大勢力が牛耳る無法地帯の宿場町に単身ふらりとやってきた三船「サンピン」三十郎。それに絡むは仲代「ガンファイター」卯之助、東野「飯屋の親父」権爺に山田「性悪」おりん姐さん、そして加東「頭は悪いが腕っ節は強い」亥之吉など芸達者総出演。撮影がおなじみ宮川一夫。時にボレロ、そしてロックに拍子木となんともクールな音楽が佐藤優。極めつけの振付は金須さんで、剣技が久世さん。世界が唸る痛快活劇にはこれだけの黒澤職人集団が関わっているんですね。
三船と仲代の最期の対決シーン、「近寄るんじゃねえー」の仲代の声に、にやりと片頬で笑い、ちょいと肩をゆすってやにわに戦闘モードに突入する三船。その後の10数秒の立ち回りシーンはまさに日本的様式美の世界。「あばよ」の一言であっというまに去る三船。ああ、男は背中でものを言う。しかし、確かこの男は30両はポンと司・土屋夫婦にくれてやり、アサメシ抜きの腹ぺこでいくさに臨んだはず。何たる自己犠牲か。
この映画の本当のかっこよさは、浪々の身となっても侍の矜持を貫き、強きをくじき弱きを助ける三十郎の精神にある。そしてそれを声高には言わず、活劇の衣をまぶして世界に見せた黒澤の技にある。
そしてなによりも精神がどうのとか小賢しく理屈をこねること自体、かっこ悪いと思わせるほどの圧倒的な面白さ、絶品です。
★★★★★ 2006-07-01 この映画の無類の面白さにはもう唸るしかナイッス!
めし屋を根城にして、宿場町を牛耳る二大勢力を牽制、縦横無尽の活躍をする流れ者兼用心棒を演じる三船敏郎。徒党に迎合するを良しとせず、一匹狼的な彼の機略、駆け引きに胸がすっとさせられる一本。初めてこの映画を見た時は、「な、なんて面白い映画なんだ!」と画面にかぶりつきの状態で見入ってしまい、今回もまた、最初から最後まで堪能させられました。
桑畑三十郎を演じた主役の三船敏郎は言うまでもなく、拳銃片手に好敵手・卯之助を演じた仲代達矢、頑固で男気のあるめし屋の親爺を演じた東野英治郎、毒婦のような女郎屋の女将を演じた山田五十鈴、頭はからっきし弱いが向こう意気は人一倍強い亥之吉を演じた加東大介など、多士済々の脇役陣の味のあるキャラと演技が見事。加えて、佐藤勝の音楽もこの作品にぴたりと合った優れものだと感じました。
1961年(昭和36年)製作の作品。極上のエンターテインメントがたっぷり楽しめる、本当に痛快無類の映画ではないでしょうか。世界の巨匠、黒澤明監督の映画のなかでも一番好きな作品。見るたびに、練り上げられた脚本の面白さと個性的な役者たちの演技に魅せられてしまいますね。
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